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条件別 · 税 — 売上税 (Sales Tax)

売上税ゼロの 5 州 (NOMAD) と低率州を整理する

アメリカには日本の消費税にあたる全国一律の税がなく、州+地方の売上税 (Sales Tax) が買い物のたびにレジで加算されます。合算レートは 0% から 9.5% 超まで州・市によって大きく違い、州売上税がゼロなのは NOMAD と呼ばれる 5 州 (New Hampshire / Oregon / Montana / Alaska / Delaware) だけです。所得税ゼロ州 (テキサス・フロリダ・ワシントン等) とは顔ぶれがほぼ重ならない点が、州選びの面白いところです。

州売上税ゼロ

5 州

NOMAD (NH/OR/MT/AK/DE)

合算レンジ

0-9.5% 超

州+地方 (2026 年時点)

全米平均 (合算)

約 7.5%

人口加重平均、変動あり

最高水準

約 9.6%

ルイジアナ / テネシー

州率の最高

7.25%

カリフォルニア

日本の消費税

10%

軽減税率 8% (食品等)

要点

売上税ゼロ州の要点

結論
州売上税が 0% の州は NH・オレゴン・モンタナ・アラスカ・デラウェアの 5 州 (NOMAD) です。所得税ゼロの州 (テキサス・フロリダ・ワシントン等) は売上税が高めの傾向があり、逆にオレゴンは売上税ゼロでも所得税が最高 9.9% です。どの税で払うかの違いなので、所得・消費・住宅のバランスで総合判断してください。
合いやすいケース
大型購入 (家具・家電・PC) が多い時期の州選び、売上税ゼロ州の隣に住んで買い物だけ越境する生活設計、所得が低く消費の比重が大きい学生・OPT
確認したい点
所得税まで含めた総合税負担で比較したい場合 (所得が高いほど所得税の影響が支配的)、車の購入 (登録州で課税されるため隣州購入では節税になりません)
根拠
Tax Foundation State and Local Sales Tax Rates (2026) + 各州歳入局の公表税率 (2026 年時点、変動あり)

売上税ゼロ州の要点

結論
アメリカで州売上税が 0% の州は NOMAD の 5 州 (New Hampshire / Oregon / Montana / Alaska / Delaware) です。州+地方の合算レートは全米で 0% から 9.5% 超まで開きがあり、所得税ゼロ州 (テキサス・フロリダ・ワシントン) はむしろ売上税が高めです。
数字
  • 州売上税ゼロ 5 州(NOMAD)
  • 合算レート全米平均 約 7.5%(人口加重、2026 年時点)
  • 合算レート最高水準 約 9.6%(ルイジアナ / テネシー)
  • ワシントンの合算 約 9.4%(所得税ゼロだが売上税高)
  • 日本の消費税 10%(軽減税率 8%)
根拠
Tax Foundation State and Local Sales Tax Rates (2026) · 各州歳入局 (Department of Revenue) 公表税率 · 国税庁 (日本の消費税率)

1. NOMAD 5 州 — 州売上税ゼロ

州売上税がゼロの 5 州は、頭文字をとって NOMAD (New Hampshire / Oregon / Montana / Alaska / Delaware) と呼ばれます。レジでの加算がない (アラスカは地方分のみ) ため、表示価格 = 支払額という日本に近い買い物感覚になります。

  1. 01

    州売上税 0%。州所得税も給与所得には課税なし (利子・配当課税は 2025 年廃止)。ボストン圏からの買い物需要が大きい州です。

  2. 02

    州売上税 0%、地方売上税もなし。ただし州所得税の最高税率は 9.9% と高めで、所得税と売上税のバランスが NOMAD の中で最も対照的です。

  3. 03

    州の一般売上税は 0%。一部のリゾート地域 (Whitefish 等) に限定的な resort tax があります。

  4. 04

    州売上税 0%、地方売上税もなし。事業者側に gross receipts tax がありますが、消費者のレシートには載りません。フィラデルフィア圏の買い物先です。

  5. 05

    州レベルの売上税は 0% ですが、市・郡 (borough) レベルの地方売上税があり、地方平均は約 1.8% (2026 年時点、変動あり) です。

2. 所得税ゼロ州との対比 — 顔ぶれはほぼ重ならない

州所得税ゼロの州とこのページの NOMAD 5 州は、性格が対照的です。所得税を取らない州は売上税・固定資産税で歳入を補う傾向があり、逆もまた然りです。「どの税で払うか」が違うだけ、というのが基本構図です。

所得税ゼロ × 売上税の対比 (2026 年時点、変動あり)

テキサス (TX)
所得税 0% / 売上税 合算 約 8.2% — 固定資産税も高め
フロリダ (FL)
所得税 0% / 売上税 合算 約 7.0%
ワシントン (WA)
所得税 0% / 売上税 合算 約 9.4% — 全米でも高い水準
テネシー (TN)
所得税 0% / 売上税 合算 約 9.5% — 食料品にも州税がかかる数少ない州
オレゴン (OR)
売上税 0% / 所得税 最高 9.9% — TX/WA と正反対の構成
ニューハンプシャー (NH)
売上税 0% / 給与への所得税 0% — 両方ゼロだが固定資産税が全米でも高い水準
アラスカ (AK)
所得税 0% / 州売上税 0% (地方平均 約 1.8%) — 石油収入が歳入源
ワイオミング (WY)
所得税 0% / 売上税 合算 約 5.4% — 両方低めの希少例

出典: Tax Foundation。地方平均・合算は概算で、市によって上下します。

ニューハンプシャーとアラスカ (+ワイオミング・サウスダコタ) は「所得税も売上税も低い」例外的な州ですが、NH は固定資産税、AK は生活コストと気候という別の負担があります。税だけでなく生活費全体で見たほうがよい理由がここにあります。

3. 州別 合算レート早見表 (州率 + 地方平均)

売上税は州率 (state rate) + 地方平均 (average local rate) の合算で見ます。州率が低くても地方税が重い州 (アラバマ・ルイジアナ等) があるため、州率だけの比較は実態とずれます。主要州の概観は次のとおりです。

州別 売上税レート (2026 年時点、変動あり)

NH / OR / MT / DE
州 0% + 地方 0% = 合算 0%
アラスカ (AK)
州 0% + 地方平均 約 1.8% = 約 1.8%
ハワイ (HI)
州 4.00% (GET) + 約 0.5% = 約 4.5% — 低率だが課税範囲が広い
ワイオミング (WY)
州 4.00% + 約 1.4% = 約 5.4%
フロリダ (FL)
州 6.00% + 約 1.0% = 約 7.0%
テキサス (TX)
州 6.25% + 約 2.0% = 約 8.2%
カリフォルニア (CA)
州 7.25% (州率は全米で最も高い) + 約 1.6% = 約 8.8%
ワシントン (WA)
州 6.50% + 約 2.9% = 約 9.4%
テネシー (TN)
州 7.00% + 約 2.6% = 約 9.5%
ルイジアナ (LA)
州 5.00% + 約 4.6% = 約 9.6% — 地方分が特に重い

州率は法定値、地方平均と合算は Tax Foundation の人口加重平均にもとづく概算です。

多くの州では食料品 (grocery) は非課税または軽減、外食・日用品は課税という線引きです。衣料品が非課税の州 (ミネソタ・ニュージャージー・ペンシルベニア等) もあり、何が課税対象かは州ごとに違います。正確な税率は各州歳入局の公式サイトで最新を確認してください。

4. 大型購入の隣州実務と use tax の注意

実生活で効くのは、家具・家電・PC のような大型購入を売上税ゼロ州の店舗でまとめる動きです。ワシントン州南部 (バンクーバー WA) からオレゴン州ポートランドへ、ボストン圏からニューハンプシャーへ、フィラデルフィア圏からデラウェアへ、という越境買い物は現地では日常風景です。$2,000 の PC なら合算 9.4% の州で約 $188 の差になります。

ただし制度上の注意が 2 つあります。

  • use tax (使用税): 売上税のある州の居住者が無税州で買った物を持ち帰って使う場合、本来は居住州へ use tax を自己申告する義務があります。個人の少額購入で執行される例は多くないものの、義務自体は存在します (高額品・事業用は特に)。
  • 車は登録州で課税: 自動車はオレゴンで買ってもワシントンで登録する時点でワシントンの税がかかります。隣州購入での節税は基本的に成立しません。
  • ネット通販は届け先課税: 2018 年の Wayfair 判決以降、大手 EC は届け先住所の税率で課税します。オレゴンの友人宅に送って持ち帰る、は use tax の自己申告対象です。
  • 営業時間と在庫: 越境買い物が盛んな州境の店舗 (ポートランドの家電量販店等) は混みやすく、引き取り予約が必要な場合があります。

5. 日本の消費税 10% との比較感覚

日本の消費税は全国一律 10% (食品等は軽減税率 8%) で、価格に内税表示されるのが基本です。アメリカの売上税は外税で、棚の表示価格にレジで上乗せされます。合算 9.5% 前後の州 (ワシントン・テネシー等) では日本とほぼ同じ負担感、NOMAD 5 州では「常に税抜きで買える日本」のような感覚です。

  • 日本: 10% 内税 + 食品 8%。レジで増えない安心感がある一方、逃げ道もありません。
  • 米国の高率州 (約 9.4-9.6%): 日本並みの負担。ただし多くの州で食料品が非課税・軽減のため、自炊中心なら体感は日本より軽くなります。
  • 米国の中位州 (約 6-8%): 日本より一段軽い負担です。
  • NOMAD 5 州: 買い物への課税は実質ゼロ (AK の地方分を除く)。その分、所得税や固定資産税で取られていないかをセットで確認してください。

年間の家計影響を見積もるなら、課税対象の消費 (外食・日用品・家電・衣料) をベースに「課税消費 × 合算レート」で概算できます。詳しい組み立ては年間予算ガイドを参照してください。

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